アスペルガーは遺伝する?

アスペルガーは遺伝する?

アスペルガーに限らず自閉症やADHDなどの発達障害の多くは昔は今ほど理解が深くなく、親の育て方のせいにされることがありました。

発達障害は遺伝的要素と環境が複雑に絡まり合って発症する、しかしながら遺伝の要素は大きいけれどもはっきりした要因は現在ではまだわかっていないようです。

発達障害は遺伝する確率があるの?きょうだい、父親、母親との関係は? 男女での発生率は?

私は医師でも専門家でもないので、詳しい言及は避けます。
ここからはアスペルガーとして生きてきた私の体験談になります。

私の主治医(故人)ははっきり「遺伝だよ」と言ってました。

私は以前通っていた精神科で同じように自身がアスペルガーに悩む方たちと交流していました。

彼らのうちの数名は、まずは自分の子供が発達障害だと診断され、調べるうちに自身も思い当たることがあり、診察してみたところアスペルガーだとわかった人達でした。
大人になるまでわからなかったのは、私達の世代の幼いころは、言語障害、学習障害を伴わない発達障害に関してはほとんど知られていなかったので無理も無いことです。

遺伝的要素が大きいからと言って、アスペルガーの子供が皆アスペルガーになるかというと勿論違います。
上のリンクからもわかるように、一卵性の双子でも発症率は100%ではありません。

ちなみに私には息子があり、通っていた精神科で診察してもらったのですが、彼は発達障害とは診断されませんでした。

息子と話していると、自分とは全く違うことがわかります。
良くアスペルガーは「空気を読めない」と言われます。
私自身もその通りで、たびたび自身でもわからないところで夫の機嫌を損ねてしまうのですが、あとで息子から「なんであんなふうに言ったの。お父さん、帰って来た時から機嫌悪かったじゃん!」などと指摘されたりします。

夫が帰って来た時の、ドアの開け方、口調、表情などからすぐに息子は夫の様子を察するのです。
そしてそれは全く私には出来ないことです。

子供と自分とはやはり似ているようで違う存在なのだということに気づかされます。
違うけれどもお互いを尊重する。
それが家族だろうとそうでない人であろうと、私のようにコミュニケーションが苦手な人間にとっては本当に大事なことだと思います。
そして、それがわからない人がいるからこそ人と人の間でいろいろな問題が起こるのでしょうね。

アスペルガーや発達障害には今でも多くの偏見があります。
上の記事を探していたときに見たサイトで、「アスペルガーには情愛がない」などと書かれていて、非常に悲しい気持ちになりました。
「情愛がない」のではなく、「情愛を伝える術」を知らなかったり、自分の思っている「情愛」と相手では違ったりするだけだと思うのです。

発達障害の「遺伝」に関しても悲観的にだけとらえないで頂きたいと思います。
遺伝には様々な要素があります。そしてそれは「悪い」ことではなく、一つの「特徴」であって、それを知ることによって良い方向に変えることも出来るからです。

特に若い方にはそれを理解していただきたいと思います。
自身が発達障害だからと言って、子供を作ってはいけないのではないかなどと悲観的になりすぎないでほしい、その思いもあって今回の記事を書きました。
これはあくまでも私の体験談ですので、参考のひとつになさっていただければと思います。

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