読書したらアウトプットしよう その1 森末祐二 ホンカク読本 ライター直伝! 超実践的文章講座

読書したらアウトプットしよう その1 森末祐二 ホンカク読本 ライター直伝! 超実践的文章講座

 

 皆さん本を読んだ後、メモを取ったり、感想を書いたりしていますか?

 私は書評ブログを運営しています。しかし、そちらの掲載対象の本は、読むのにも時間がかかり、書評を一つ書くのにも、他にも多くの参考資料を読み込む必要があるものがほとんどです。現在一月に1、2記事しか書けないような状態になっています。よく考えたら、これって非常にもったいないですよね。たくさんの良い本を読んでいるのに、紹介するのはごくわずかになってしまっています。

 たくさんの本を読んでいればなおのこと、読んだだけでは記憶も薄れてしまいます。特にノウハウ系のものは読んだだけではなく実行しなくてはあまり意味がありません。

 本日から、読んだ本のアウトプット並びに、実際に行動に移すためにも、読んだ本を出来るだけこちらで紹介することにいたします。良書ばかりですので、皆様の読書の参考になれば幸いです。

 まず1冊目。『ホンカク読本 ライター直伝! 超実践的文章講座』(森末祐二2015)です。

 ブログを運営しているのですから、当然ライティングの技術は必要です。ライターでなくても、ビジネスのシーンで文章を書くことのある人にとって、自分の考えをわかりやすく伝える文章力は必要だと思います。この本は2年ほど前に購入したもので、これを読んでからいろいろ文章の書き方を改善しました。今回おさらいもかねてこちらを紹介したいと思います。

 『ホンカク読本』と銘打ってある通り、本書はテーマ作り、資料集め、取材に始まり、読みやすい文章を書くための工夫、文章を書くにあたってのルール、文章に深みを増すための方法と、全部実践するにはなかなかハードルの高いものになっています。今回は、読みやすい文章を書くために今すぐ出来ることを紹介いたします。

 

1、センテンスは短く簡潔に なるべく五十文字以内、長くても百字まで

 何かねらいがあって長いセンテンスを組み立てる場合もあるかもしれませんが、長いセンテンスを読みやすくするには技術が必要です。短く区切って表現できる内容なら短い文章の方が読みやすいですよね。

 例を上げます。

〇ブログに限らず、文章を書く際は、小学生にでもわかるように書く必要があると言われますが、なぜかというと、どんなに良いことを書いていても、伝わらなければ意味がないし、読みづらい文章では、頭に入ってこないので、最初から読んでもらえなくなるからです。

 書いていることがわからないわけではありませんが、読みづらいし、冗長で稚拙な印象を受けてしまいますよね。

 このように直すとどうでしょう。

〇ブログに限らず、文章を書く際は、小学生にでもわかるように書く必要があると言われます。なぜかというと、どんなに良いことを書いていても、伝わらなければ意味がありません。読みづらい文章では、頭に入ってこないので、最初から読んでもらえなくなります。

3つに区切っただけでも随分読みやすくなると思います。あまりぶつ切りのような印象になってはよくないですが、短いセンテンスで文章を書くよう心掛けるとそれだけで読みやすくなりますよ。

 

2、ほどよい場所に読点(「、」)を打つ リズムがよくなり読みやすさもアップ

 センテンスの区切りの句点(「。」)とともに、読点(「、」)を打ち場所も大事です。文法的に極力打った方がよい場所もあるのですが、今回は簡単に、「音読」をして打つ場所を探すという方法でやってみます。実際に音読せずに、頭の中で読んでいるつもりで考えると良いでしょう。

 例をあげます。

〇梅雨の季節は洗濯物が乾きにくくて困ります。部屋干しすると洗濯物の生乾きの匂いに悩まされることになる為匂いが防止できる洗剤や柔軟剤を使う人も多いのではないでしょうか。

 皆さんはこの文章のどこに句読点を打ちますか?私ならこのように打ちます。

〇梅雨の季節は、洗濯物が乾きにくくて困ります。部屋干しすると、洗濯物の生乾きの匂いに悩まされることになる為、匂いが防止できる洗剤や、柔軟剤を使う人も多いのではないでしょうか。

 こちらは必ずしもこれが正解!と言ったものはないので、音読して、何度か句読点の位置を変えながら、しっくりくるものを選ぶと良いでしょう。

 

3、順番を変えたり、つなぎ方を工夫したり

 日本語のセンテンスは、主語、述語、目的語、補語、修飾語などを適宜組み合わせ、それらを助詞でつなぐことによって成立しています。一つのセンテンスの中でこれらの言葉の順番はある程度入れ替えることが出来ます。この自由度の高さが日本語の素晴らしいところで、これを効果的に使うことで表現の幅が広がります。

 例えば「春風の中、蝶々がひらひらと飛んでいる」。こちらの文章は「蝶々が、春風の中、ひらひらと飛んでいる」でも意味が通じます。これを「春風の中飛んでいる、蝶々がひらひらと」と書くとまた別のニュアンスが生まれます。

 もう一つ、文法上は間違っていないにも関わらず、上手に並べないと意味が伝わりにくくなるという例も挙げます。

①私は図書館に論文の参考資料を探すために通っている。

②私は論文の参考資料を探すために図書館に通っている。

 ①も②も同じことを言っているのですが、②の方がリズムが良く伝わりやすいですよね。主語が「私」動詞の「通っている」述語ですが、この述語の目的語である「図書館に」の位置がどこにあるかによって伝わりやすさが違ってきます。「通っている」対象は「図書館」ですので、こちらは直結させた方が意味が伝わりやすくなります。①は補足説明に当たる「論文の参考資料を探すために」が「図書館」と「通っている」の間に入ったため分かりにくくなっているのです。

 このように、意味は伝わっても、言葉の順番で伝わりやすさが変わりますので、注意して文章を書いてみてくださいね。

今回は3つのみ紹介しましたが、他にも良い文章、記事を書くために役立つことがたくさん書かれています。是非こちら、お読みいただけたら嬉しいです。