アスペルガー 発達障害ってどんなもの?

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 アスペルガーと言っていますが、最近では自閉症スペクトラム障害(ASD)と呼ばれます。

 自閉症と聞くと言葉もないような状態を表すことが多いですが、症状によってかなり異なります。逆に知的障害や学習障害がない場合は、子供のうちは気づかれずに、大人になって仕事をすることになって、人とのコミュニケーションのトラブルや鬱、統合失調症などの二次障害の末、発達障害と診断されることもあります。

 主な4つを説明します。

・自閉症スペクトラム障害(ASD)

 主に社会的なコミュニケーションにおいて問題となります。所謂「空気を読めない」人と思われたり、会話のやりとりが上手でなかったりします。一口にASDと言ってもいろんなタイプの人がいて、積極的に人と関わる人もいれば、あまり人に関心がなく、自分から話しかけることを全くしなかったりなど。こだわりが強かったり、感覚過敏の人も多いです。

・注意欠如・多動性障害(ADHD)

 注意力が欠如していて、じっとしていられなかったり、衝動的な行動や言動の多いのがこのタイプです。

・限局性学習障害(LD)

 文字がきちんと読めなかったり、時間がかかったり、数への理解が難しいタイプです。

・運動障害

 運動が苦手だったり、手先が不器用ではさみなどが上手に使えなかったり。その他にも同じ動きを無自覚に繰り返すタイプの運動障害もあります。

 昔は、親の育て方のせいだとされることが多かった自閉症や発達障害ですが、現在では遺伝に伴う脳機能障害であることがわかっています。自閉症については『光とともに』という漫画で丁寧に描かれています。自閉症の子供がどのような行動をとるのか、自閉症の子をもった母親の葛藤、家族や周囲の無理解をどう克服していくのかなど、非常に考えさせられるものがあります。著者が亡くなってしまったため、主人公の光くんが中学生になったところで終わっています。彼がどのように大人になっていくのかを見たかったという点では残念です。

 ASDの場合、障害とは分かりにくいため、診断も難しく、人によっては「単なる性格の問題」とか「障害なんて言い訳」などと言われることも多いです。簡単に説明すると精神科医の杉山登志郎先生の表現なのですが、「発達凸凹」というのがわかりやすいかもしれません。

 生まれてきてから大人になるまでの発達の段階で、普通の人なら緩やかにいろんなものがだいたい同じ速度で上昇していくものが、発達障害の場合、あるものは極端に上昇し、他のものは普通の人に比べるとかなり遅かったり。それによって出来ることと出来ないことがちぐはぐでかみ合わなくなっている感じ。

 例えば高度な数学を理解できるのに、人の顔は全く覚えられなかったり、ものすごいスピードで本は読めるのに、人の話は聞けなかったり。逆に聞くのは得意なのに読むのは苦手だったり。この障害がコミュニケ―ションにどのように影響を及ぼすのかはまた次の機会に書いていきます。杉山先生のご著書は発達障害の子供たちへの視線がやさしく暖かい気持ちになれるものが多いのでよろしければ是非ご一読ください。