読書をしたらアウトプットしよう その2 松尾茂起 沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘

読書をしたらアウトプットしよう その2 松尾茂起 沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘

突然始まるシリーズ第1作のあらすじ紹介。
やたらと強烈な主人公、キャラクター相関図?

え?漫画?私、ライティングを学ぶためにこれ買ったんだけど?
なんか間違えた?

そう思ってしまうような強烈な出だしの本書。
600P以上のボリュームがあるのですが、基本的なストーリーはLINEなどのチャットアプリで会話をしているようなスタイルで進みます。
ストーリーの後で、わかりやすいまとめがあり、そのバランスもとても良いです。

ライトノベルを読むような感覚で読み進められますが、内容はライティングにとどまらず、かなりのボリュームでSEO対策に割かれています。
それもノウハウにとどまることなく、何のために文章を書くのかということの本質を突くものとなっています。

相手が読みたくなる文章をかくための3つの視点として紹介されているのがこちらです。

①感情表現を入れ、自分事化による"共感”を誘発する
②思わず読み進めたくなるように、“適度な興奮を感じさせる”
③読み手の脳の負担を減らす

今回はこのについてご紹介したいと思います。

〇読み手の脳の負担を減らすとは?

・改行と行間に気を配り、心地よいリズムを意識する。
・あえて句点(。)が出てくるたびに改行して、文章の開始位置を左端に揃え、文章のかたまりが少しでも視界に入りやすいようにする。

これを読んで、自分が如何に学校で学んだ文章の書き方にとらわれていたに気付きました。
文章の書き方については、本を読んだりいろいろいろ調べて勉強していたのですが、WEB上で読むためにどうしたら読みやすくなるかということを今まで学んでいなかったことがわかりました。

こちらのブログでも左詰めで書いてあるものはありますが、それはあくまでWORDPRESSの使い方になれていないために起こっているものです。
気を付けて書いている者は、原稿用紙で書く時のルール通り、書き始めを一文字開けていました。
しかしながら、そのルールは段落をわかりやすくするためで、改行と余白を入れることによって段落をわかりやすくしている文章の中では必要のない配慮でもあります。
それならば、左詰めでも問題ありません。

そして、改行を多くすることで縦長になりがちだということも、現在スマートフォンで縦スクロールしながら読む人にとって違和感はないということになります。

昔からの文章の書き方にこだわる人には受け入れにくいルールかもしれませんが、多くのブログ、特にメールマガジンなどではこのような書き方が主流になっていますね。
かなりいろいろ読んでいるつもりだったのに、全く気付いていなかったことがかなり恥ずかしくなりました。

・漢字とひらがなの含有率を調整する

パソコンで文章を書いていると意味を調べながら変換することが可能なので、普段自分が使わない漢字でもつい漢字表記しがちです。
しかしながら普段使わないということは見慣れないものだということでもあります。
見慣れない漢字が多用されることで、脳に負担がかかり読者に「読みにくい」と感じさせてしまうことになりかねません。
漢字が多いことでぱっと見た感じで難解な文章だと判断され最初から読まれないということを防ぐためにも、漢字とひらがなのバランスに注意することが大切だそうです。

漢字をひらがなにすることで、簡単な読みやすい文章といった印象を与えるほかに、あえてカタカナ表記を使うことで言葉を目立たせる効果も期待できるそうです。
これは私もよく使うのですが、「おすすめ」「お薦め」を「オススメ」としたりなどです。

漢字とひらがなの含有率をどのくらいのバランスにするかは読者層をどの年代に設定しているかにもよりますね。
私のこちらのブログは20代から40代くらいの人を読者として想定して書いています。
今よりもう少し漢字を少なめにしてもよいかもしれませんね。

・指示代名詞を減らす

先ほども書きましたが、スマートフォンなどで文章を読むことに慣れている人は、縦スクロールしながら自分の知りたい情報だけを流し読みする傾向があります。
そのような読み方をしているとき、「この」「その」などの指示代名詞が多い文章では、スムーズに内容が理解できなくなります。
文章を途中から読む読者にも読みやすい文章を心がけるためにも少々くどく感じても指示代名詞をあえて減らした文章を書くことも必要になります。

これは紙の書物とwebではやはり使い勝手が違うことも大きいですね。
紙媒体だと、前に何が書いてあったか気になったとき、ページをさかのぼるのが容易ですが、web上、特に数ページにわたるものだと前のページに戻るのがやはり少々面倒ではあります。
じっくり読むタイプの人にとっては固有名詞が何度も出てくるのはくどく感じるかもしれませんが、バランスを考えつつ読みやすくすることが大事ですね。

・箇条書きで論理をショートカットして要点を整理する。

箇条書き(リスト)を使うことで、情報を見やすく整理したり、数字を使って用いて情報の総数を前もって知らせておく方法です。
数字を使った方法はネットの記事でもよく目にしますよね。
「○○をマスターするための7つの方法!」とか
「これさえ理解すればOK!オフィスでの人間関係でぎくしゃくしないための3つの法則」など。

こちらも読者の心理的負担を減らし、読んでもらうための効果的な手法だったのですね。

簡単に紹介しましたが、このわかりやすい文章を書くためのポイントだけでも16項目にまとめられています。
他にも取材の仕方や、記事をバズらせるためのコンテンツの設計の仕方などブログ運営にとどまらない知識が詰め込まれています。それが最初に説明した通り、非常に読みやすい作りになっています。

そして本書の一番のメッセージは「言葉の力」をどのように使うのかということであると思います。

WEBで文章を書く人なら必ず学ぶことの多いものとなっています。
オススメです!